咳を伴ういろいろな子どもの病気

【監修】 富士重工業健康保険組合 太田記念病院 院長 小児科部長 佐藤 吉壮先生

溶連(ようれん)菌(きん)感染症

溶連菌は、正式にはA群β-溶血性連鎖球菌といい、様々なタイプがあります。
飛沫感染と皮膚からの接触感染があり、人によっては違うタイプの溶連菌に数回感染します。多くは発熱を伴い、咽頭炎(いんとうえん)や扁桃腺炎(へんとうせんえん)を起こし、のどの痛みがあります。比較的少ないですが、咳や鼻水を伴うこともあります。また全身の発疹がみられ、舌の表面がイチゴのようになる症状(イチゴ舌)が見られることがあります。感染の多い年齢は2歳から10歳位までです。

治療

溶連菌感染による症状は、抗菌薬を2〜3日飲めば、治まりますが、溶連菌はまだ残っているため急性腎炎・リウマチ熱・血管性紫斑病などの合併症を防ぐために、10〜14日間、抗菌薬の服用が必要です。

肺炎・マイコプラズマ肺炎

病原体の種類によって症状の程度が異なりますが、肺炎は咳、熱、呼吸困難を伴い、RSウィルス、インフルエンザウィルスが原因であることが多くみられます。一方、マイコプラズマ肺炎は、一般細菌とは異なるマイコプラズマ・ニューモニエという微生物を病原体とし、咳がひどいのが特徴。肺炎のわりには元気で、喘息と間違えられることもあり、発見が遅れるのが問題視されています。3歳以上の肺炎は、マイコプラズマ肺炎であることが多く、ほとんどが大人になるまでに罹患します。また3歳未満では細菌性肺炎が多くみられます。

治療

マイコプラズマ肺炎は抗菌薬を投与します。これが効かない場合、点滴や入院の必要があります。ほかの細菌性もしくはウイルス性肺炎は入院を要することもあります。

クラミジア肺炎

クラミジアトラコマティスもしくはクラミジアニューモニエという病原体が起こす肺炎です。クラミジアトラコマティスによる肺炎は新生児にみられ、クラミジア子宮頸管炎を持つ母親からの産道感染によって起こります。一方、クラミジアニューモニエによる肺炎は小児から老人まで幅広く見られ、飛沫感染によって起こります。
症状は、クラミジア トラコマティス肺炎は、発熱がない場合が多いのですが、結膜炎、鼻炎の症状に続いて、発作性咳嗽、喘鳴、呼吸困難があります。 クラミジア ニューモニエ肺炎もまた、38℃以上の高熱をみる症例は少なく、上気道炎、急性気管支炎、胸膜炎などで、通常は軽症です。

治療

抗菌薬を投与します。クラミジア トラコマティス肺炎では、点滴静注。クラミジア ニューモニエ肺炎も点滴静注を行いますが、軽症例では内服薬で済みます。

オウム病

病原体は、クラミジア-シッタシという細菌で、オウム病クラミジアとも呼ばれます。多くは、感染している病鳥の乾燥した分泌物・排泄物などを吸いこむことにより感染します。また病鳥との直接の接触(口の粘膜などを介する)や病鳥に噛まれて感染することもあります。症状は、まず、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、及び痰の少ない乾いた咳を起こします。しばしば肺炎を起こし、様々な合併症の危険性もあるので、注意が必要です。

治療

抗菌薬を投与します。再悪化を防ぐため、熱が下がってからも少なくとも10-14日間は服用を続ける必要があります。