デュピュイトラン拘縮の治療

【監修】名古屋大学大学院医学系研究科 手の外科学 教授 平田 仁 先生

治療の目的・方法

デュピュイトラン拘縮と診断されると、病気の進行度により定期的に症状を観察し、治療方針を決めていくことになります。
病気が進行すると指が曲がって伸ばすことが難しくなり、手を使う動作がしにくくなって、日常生活に不便をもたらします。

<日常生活の例>
ドアノブを回す、洗顔をする、握手、車の運転、手を使うスポーツなど

痛みがみられることはあまりありませんが、治療をしないと自然には治らない病気のため、QOL(生活の質)が低下するようであれば治療を開始します。

現在、日本でのデュピュイトラン拘縮に対する治療は薬剤による治療と手術療法があります。

薬剤による治療(酵素注射療法)

拘縮索に薬剤(コラーゲン分解酵素)を局所注射することにより、拘縮索を構成する成分であるコラーゲンを分解し、拘縮索を断ち切る治療法です。注射翌日(原則として)に医師の診察を受け、指の状態によっては「指を伸ばす処置」を受ける必要があります。

手術療法

手のひらや指の皮膚を切開して、デュピュイトラン拘縮の原因となっている拘縮索を切除します。

※ 拘縮索(こうしゅくさく)   手のひらや指にある腱膜などに体内で産生されたコラーゲンが異常に沈着して太い束のような
  ものが形成された状態のもの。皮膚の上からでも確認できる

注射および手術療法後の治療− 副子やリハビリテーションの必要性 −

注射療法、手術療法を受けた後の治療も大切です。
副子による固定は治療を受けた指をまっすぐに保ち、手術した場合には傷痕の形成による拘縮を防ぎます。また、治療効果を高めるために就寝時の副子装着を数ヵ月間にわたり行います。
リハビリテーションでは、指が動く範囲をできるだけ回復させるために指の曲げ伸ばし運動などを行います。
患者さんの状態に適した副子固定やリハビリテーションを、医師の指示のもとで行う必要があります。

※ 副子(ふくし)   手足の骨折などで患部を固定し安静にするために用いる器具のこと。添え木など

副子の例