デュピュイトラン拘縮とはどんな病気?

【監修】名古屋大学大学院医学系研究科 手の外科学 教授 平田 仁 先生

デュピュイトラン拘縮という病名を初めて聞く方も多いかと思います。
1832年、当時謎だったこの病気を初めて詳細に報告したフランスの外科医ギヨーム・デュピュイトランの名前からデュピュイトラン拘縮と名付けられました。
デュピュイトラン拘縮とは、手のひらから指にかけてしこりができ、病気の進行に伴って皮膚がひきつれて、徐々に指が伸ばしにくくなる病気です。

デュピュイトラン拘縮の症状・進行

初期症状(前期)として、まずはじめに手のひらに結節(しこりやくぼみ)が出現します。 症状が進行(中期)すると、拘縮索※1が出現し、徐々に指が曲がり始め、関節の動きが制限されるようになります。一般的に痛みを伴うことはあまりありませんが、一時的に結節や拘縮索に痛みや腫れを伴うことがあります。
さらに症状が進行(後期)すると、拘縮索が指を引っ張ることにより、指が屈曲拘縮※2して伸ばすことができなくなります。指が曲がって伸ばせないことにより日常生活に不便をもたらすようになります。

デュピュイトラン拘縮は薬指と小指に多く発症しますが、他の指にも発症します。また、反対側の手に発症したり、治療で症状が軽くなっても再発する場合があります。なお、病気の進行速度は一定ではなく、急に症状が進行したり、ゆっくりと曲がっていったりと予測することが困難です。

※1 拘縮索(こうしゅくさく)    手のひらや指にある腱膜などに体内で産生されたコラーゲンが異常に沈着して太い束のような
   ものが形成された状態のもの。皮膚の上からでも確認できる

※2 屈曲拘縮(くっきょくこうしゅく)    指の関節が拘縮索により屈曲した状態になり、伸ばす動作が制限された状態のこと

デュピュイトラン拘縮の進行

デュピュイトラン拘縮の原因

発症の原因はよくわかっていませんが、体内におけるコラーゲンの産生と分解のバランスのくずれから、手のひらの腱膜※3などにコラーゲンが異常に沈着することで「拘縮索」ができると考えられており、この拘縮索が、指が曲がる原因となっています。
高齢の男性に比較的多くみられるほか、家族に同じ病歴がある、糖尿病、手に外傷のある方などがなりやすいといわれています。

※3 手のひらの腱膜(けんまく)    手のひらの皮下にあり、各指に向かって扇状に広がっている線維性の組織である。
   皮膚と強く結合して皮膚の移動を防ぐことで、手で物が握りやすくなっている。
   また、深部の血管や神経を保護している。