• よくわかる腎臓病、腎臓病を正しく理解するために
  • 生活習慣と慢性腎臓病(CKD)
  • 慢性腎臓病(CKD)をご存じですか?

診断とステージ

慢性腎臓病(CKD)の診断基準と重症度分類

徐々に進行する慢性腎臓病(CKD)。まず、その診断基準と進行度に合わせた5段階のステージを紹介しましょう。

慢性腎臓病の診断基準

もともとの疾患(原疾患)が何であるかにかかわらず、次の2つの所見のうちのいずれか、または両方が3カ月以上続いた場合にCKDとされます。

  1. 尿検査、血液検査、画像診断などで腎障害が明らかである
    (特に、0.15g/gcr以上のたんぱく尿が出ている)
  2. 糸球体ろ過量(GFR)が60mL/分/1.73m2未満である

重症度分類

慢性腎臓病(CKD)という考え方では、腎臓を病気別に見るのではなく、腎臓の機能を以下のような5段階のステージ(病期)に分けてとらえ、そのステージに応じた診療計画を立てていきます。

 

指標となるGFR(糸球体ろ過量)

慢性腎臓病の診断基準、およびステージ分類で重要な指標となるのが、GFR(糸球体ろ過量)です。GFRは糸球体の老廃物を尿へ排泄する能力を示しており、値が低いほど腎臓の働きが悪いということになります。GFRを調べるには、血液検査による血清クレアチニン値を用いた計算式によって求める数値である推算糸球体ろ過量(eGFR)を用いる方法と24時間蓄尿によって調べるクレアチニン・クリアランスによる方法があります。クレアチニン・クリアランスは、腎臓が1分間に血液からどれだけの量のクレアチニン(体内の老廃物の一つ)を排除しているかを調べる方法で、eGFRよりも精度が高い検査といえます。

 

検査方法

腎臓の機能を調べる検査には、尿検査、血液検査、病理検査、画像診断があります。ここでは、早期発見のために検査を受けやすい尿検査と血液検査について詳しく紹介します。

尿検査

尿中のたんぱくや血液、糖、沈殿物などを調べて病気を診断する検査です。方法は、随時尿(いつでも好きな時に尿を採る)、早朝尿(起床後、最初に出る尿を採る)、24時間蓄尿(24時間、尿をためて採る)、分杯尿(排尿の前半と後半に分けて尿を採る)の4つがあります。
尿検査でわかる、腎臓病に関わりの深い主な項目は、以下の通りです。

・たんぱく尿

健康な人でも尿中にたんぱくが出ており、風邪やスポーツ後に一時的に多くなることもあります。しかし、たんぱく尿が多いほど将来、腎臓の働きが低下し腎不全に陥りやすいと考えられています。

・微量アルブミン尿

微量アルブミンは、早期の糖尿病腎症の診断に有効な指標です。

・潜血反応

赤血球が混じっている尿を血尿といいます。たんぱく尿と並んで、CKDの早期発見に有効です。初めて血尿を指摘された時には、尿路異常の検査をします。

・尿糖

血糖値が高くなると尿中に糖が出ます。血糖値が高い状態が続くと、CKDや心血管疾患のリスクが高まります。

 

血液検査

腎臓は、血液をろ過し、老廃物を排泄する機能とともに造血ホルモンを分泌する役割をもっています(腎臓とはどんな臓器? 腎臓の役割 参照
そのため血液中の老廃物や血球成分の量を調べることで、腎機能の状態を推測することができます。
血液検査からわかる腎臓病に関わりの深い主な項目は、以下の通りです。

・血清クレアチニン

腎臓の機能が低下するほど血清クレアチニン値は高くなります。腎臓病の指標となるGFRを推定するのに使われる重要な項目です。

・血清尿素窒素(BUN)

尿素窒素はタンパク質の老廃物で、腎臓の機能が低下するとこの数値が高くなります。

・その他の血液検査項目

腎臓の機能が低下すると尿酸やナトリウム、カリウム、クロール、カルシウム、リンなどの検査で異常が出てくることがあります。
また、ヘモグロビン、ヘマトクリットなどが減少し、貧血を示すようになります。
なお、尿検査と血液検査では、おおよその腎臓の機能の状態がわかりますが、正確な診断のために画像診断が行われます。画像診断には、様々な種類があり、尿検査や血液検査、問診の所見をもとに最も適切な方法が選ばれます。また、腎生検(背中から針を刺して腎臓の組織の一部を採取)による病理診断が行われることもあります。

 

自覚症状

腎臓は、"沈黙の臓器"といわれ、かなり悪化しないと自覚症状が出てきません。
ステージ2では、すでに糸球体のろ過機能が低下していますが、自覚症状はほとんどなく、異常に気付くのはステージ3あたりからが多いのです。ステージ3は、健康時から比べるとろ過機能は半分近くまでに低下していますので、すみやかに医療機関を受診する必要があります。
自覚症状は、手の指、顔、足のすねや甲などのむくみや尿の変化などがあります。尿が異常に泡立っていたり、血が混じっていたり(コーラのような色になる)すれば要注意です。疲れやすさを伴うこともあります。