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腎移植Q&A

【監修】
大阪市立大学 大学院医学研究科泌尿器病態学 教授 仲谷 達也 先生

腎臓提供を受けるには

Q9.血液型がちがっても腎移植はできますか?

A9.ドナーとレシピエントの血液型がちがっても移植は可能です。ABO型の違いが問題になる組み合わせの場合(下図)には透析とよく似た治療で血液中の抗体を予め除去してから手術を行う必要があります。その他の場合(A→AB、B→AB、O→A、O→B、O→AB)ではこの処置は必要ありません(血液型不一致腎移植)。また、血液型不適合腎移植の場合は、通常より強い免疫抑制療法が必要となります。
血液型不適合腎移植は血液型適合腎移植と比べて腎移植成績に遜色はありません。

Q10.HLA抗原とは?

A10.血液の成分には赤血球と白血球があります。ABOの血液型は赤血球を用いた型合わせ(抗原・抗体反応)です。一方、白血球に含まれる抗原をHLA(human leukocyte antigen)と呼びます。HLAは指紋のように一人一人ちがった型を持っています。腎移植の場合には、最低6種類の抗原の型合わせにより適合性が検査されます。HLAは両親から遺伝的に受け継いでおり、親と子の間では半分は抗原性が同一で、兄弟(姉妹)間では4通りの組み合わせがあり、完全に合う確率は4分の1となります。HLAが完全に一致していれば拒絶反応はほとんどなく、移植された腎臓も順調に機能します。
献腎移植のデータではHLAが一致するほど腎移植成績は良くなります。このことからも、(公社)日本臓器移植ネットワークでは待機患者からレシピエントを選定する際にHLAの適合を重視しています

Q11.子供でも腎移植を受けることができますか?

A11.体重が約6kg以上の子供なら移植を受けることができますが、小さな子供の移植実施可能な施設は多くありません。子供は成人よりもホルモン分泌の影響を大きく受けるので、すべての腎機能が回復する腎移植が最も望ましい治療法と考えられています。生体腎移植のほかに、子供であっても献腎移植の登録もできます。後でも述べますが20歳未満、特に16歳未満は献腎移植の場合、優先的に移植されるように選択されやすいシステムになっています。

Q12.どんな腎臓病でも移植を受けることができますか?

A12. 慢性糸球体腎炎、嚢胞腎、膠原病(全身性エリテマトーデス:SLE)による腎不全患者さんの場合は腎移植の成績もよく問題ありません。巣状糸球体硬化症(FGS)の場合は、移植腎に再発する可能性が高いので注意を要します。透析導入原疾患で最も多い糖尿病腎症に対する腎移植も近年急速に増加しています。