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腎移植Q&A

【監修】
大阪市立大学 大学院医学研究科泌尿器病態学 教授 仲谷 達也 先生

腎不全の治療と移植

Q1.腎不全はどのように治療されるのでしょうか?

A1. 腎障害が長期にわたり徐々にすすみ、血液中に老廃物がたまり、血中ミネラルのバランスがくずれた状態を腎不全といいます。腎不全の治療には透析療法と腎移植があります。透析は一般に行われている血液透析(hemodialysis:HD)と腹膜透析(continuous ambulatory peritoneal dialysis:CAPD)に大別されます。腎移植は親子、兄弟、夫婦など親族間で行われる生体腎移植と脳死や心停止の方から腎臓をいただく献腎移植があります。

血液透析の模式図

腹膜透析の図

Q2.個々の治療法の特徴について教えて下さい。

A2. それぞれに一長一短があります。透析療法のうち、血液透析は最も一般的な治療で約98%の患者さんが受けています。血液透析は時間的制約(一般に週3回、1回約4時間)に加え、食事療法や水分制限など様々な制約が必要です。在宅血液透析という方法もあり、これはライフスタイルに合わせて透析量を増加させることができるため、生活の質(QOL)および生命予後改善が期待できますが、わが国ではまだまだ在宅透析を行う環境が整備できていません。在宅血液透析が占める割合は全体のわずか0.1%です。
腹膜透析も自宅で行えるため時間的制約が少なく、順調に経過していれば通院は2−4週に1回で済みます。しかし操作を患者さん自身が行うため器材管理、感染防止の注意が必要となり、腹膜炎などの危険性もあります。また、腹膜透析の場合でも血液透析ほどではないですが食事療法や水分制限が必要です。

腎移植は退院後の時間的制約はほとんど無く、食事を始めとした日常生活において高いQOLを得ることができます。更に欧米のデータでは腎移植を行うことにより動脈硬化の進行が抑えられ、心筋梗塞などの心血管系疾患が予防でき、結果として透析療法と比較して長期生命予後が期待できると報告されています。
ただし、健康な腎の提供が必要で、移植後は拒絶反応を抑える薬(『免疫抑制薬』)を飲み続ける必要があります。治療法についてはあなたの病状やライフスタイルを考慮し、主治医と相談してください。