前立腺の働きと前立腺肥大症

【監修】
名古屋大学大学院医学系研究科泌尿器科学 教授 後藤百万先生

前立腺肥大症とは、文字通り前立腺が肥大して、様々な排尿の症状を引き起こす病気です。前立腺が肥大する原因はわかっていませんが、男性ホルモンなどの性ホルモン環境の変化が関与すると言われています。前立腺肥大症を発症する明らかな危険因子は加齢ですが、その他に遺伝的要因、食生活、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などがあげられます。そんな前立腺肥大症について、わかりやすく解説します。

前立腺の働きと前立腺肥大症

前立腺は男性にしかない生殖器の一つで、前立腺液といわれる精液の一部を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護する役割を持っています。

前立腺は直腸と恥骨の間にあり、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいます。このため、前立腺が肥大すると尿道が圧迫されて、排尿に関わるいろいろな症状が出現します。前立腺は、尿道の周囲にある内腺とその周りにある外腺に区分されますが、前立腺肥大は尿道周囲の内腺に発生し、前立腺癌は外腺に発生します。

では、前立腺はどのくらいの大きさなのでしょうか?一般的な成人男性での前立腺の大きさは、体積で表した場合には20ml以下と言われています。よく、「クルミぐらいの大きさ」と例えられます。ところが、前立腺が肥大すると、クルミ程度の大きさのものが、卵やみかんの大きさになります。